| 麹菌の種類(その2)
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| 麹菌の種類(その1)では麹菌の分類上の種類についてお話ました。今回はその中のアスペルギルス オリゼーについて、さらに続けてみたいと思います。 アスペルギルス オリゼーは日本の麹に使用される麹菌の中でもっとも、使用量の多い麹菌です。正確な統計はありませんが、おそらく世界でも一番利用量の多いカビであると思います。 そのアスペルギルス オリゼー(以下簡単にオリゼー菌とします)ですが、この菌は、清酒用、味噌用、醤油用、味淋用、甘酒用、など、きわめて多くの醸造用麹に使用されています。各々の醸造食品には特徴がありますから、それにあわせた麹菌の特徴が求められます。オリゼー菌が、このような広い醸造食品に対応しているということは、それだけたくさんの性質を持つオリゼー菌が存在していることを示しています。ちなみに、当社の麹菌保存庫(まさに菌庫ですが)には、千種以上の性質の異なるオリゼー菌が保管されています。これらが多種多様な醸造食品への対応に使用されているわけです。 では、具体的にどのような違いがあるか、ということですが、まずは、原料の分解力の違いです。 原料を分解するのは、酵素というタンパク質です。麹菌は酵素の宝庫と呼ばれ、ほしい酵素があったら麹菌を探せ、とまでいわれるくらいですから、きわめてたくさんの酵素を生産します。例えば、でんぷんを分解する主な酵素として、α-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α-グルコシダーゼが、タンパク質を分解する主な酵素として、プロテアーゼ、カルボキシペプチダーゼ、アミノペプチダーゼなどが、あげられます。麹菌は、それら以外に脂質を分解する酵素、セルロースを分解する酵素なども生産しますが、それら酵素の強弱のバランスが、菌株によって異なるのが、オリゼー菌の違いの第一です。その中から、目的にあった菌が選択される訳です。清酒用ならば、α-アミラーゼ、グルコアミラーゼが強い菌、醤油用ならばプロテアーゼやペプチダーゼが強い菌といったようなものです。 次の選択基準は、麹菌の増殖です。これは、増殖が早い遅い、菌糸が長い短い、胞子の着生時期が早い遅い、麹を作った時の状貌が固く締まる、締まらない、などがあげられます。これらの性質は直接醸造食品の品質には影響しませんが、麹の作る際の作業性、また、使用する機械との相性などに影響を与えます。作業性や機械との相性を無視すると、麹作るのに無理がかかり、いい麹を作ることが出来ません。良い麹を作ることが出来なければ、結局良い醸造食品を作ることは出来ません。これらの選択基準はなかなかわかりづらいとは思いますが、実際の選択に当たっては大変重要であり、種麹メーカーのノウハウとなっています。 酵素活性や増殖の違いは、麹菌により、米、麦、大豆などの使用する原料で異なることから、さらに麹菌の種類は多くなっていきます。 その他にもいくつかの麹菌を分けることが出来る選択基準があるのですが、今回はここまでとさせていただきます。最後に用途別麹菌と酵素活性の簡単な関係を記載しておきます。 |
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| ○:強力な方が良い、 △:適当で良い、 ×:弱い方が良い |